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食品ロスの削減に向けた業界での取組み方について
食品ロスの削減に向けた業界での取組み方について
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食品ロスの削減に向けた業界での取組み方について

2018年1月10日

国内で発生している食品ロス

「食品ロス」とは、まだ食べられる状態であるにも関らずに捨てられてしまう食品のことを指しており、最近では、このように表現されています。そして、平成26 年度の農林水産省による統計では、国内における年間の食品廃棄量が約2,775 万トン、そのうち「食品ロス」と考えられている量は、約621 万トンと言われており、この量は、国連WFP による世界全体の食料援助量(約320 万トン)の約2 倍にあたる量であり、これほどの量の食品が、まだ食べられるのにも係らず捨てられてしまっているという状況なのです。そして、食品関連事業者で生じているとされる「食品ロス」は、約339万トンであり、このうち食品製造業が42%(約144万トン)、外食産業が35%(120 万トン) と、国内の食品ロスの大部分を占めており、この食品ロス問題は、日本だけではなく、世界的にも非常に深刻な問題の一つとして注目されており、2015年の9月に開催された国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、2030年までに世界全体の一人あたりの食料の廃棄量を半減させるなどの、食料の損失・廃棄の削減に関する目標が設定され、ここで合意された内容を、世界各国は守っていく義務が生じています。


食品ロス削減に向けた国の取組み

国内においては、平成24年4月から食品リサイクル法における食品廃棄量の「発生抑制の目標値」が設定され、食品関連事業者における食品ロスの削減に向けた取組みが強化されており、これと同時に、関係省庁(農林水産省、消費者庁、環境省、文部科学省、経済産業省)による「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」が設置され、フードチェーンに関連する企業や各業界団体と連携し、食品産業での食品ロスの要因の一つであります過剰在庫や返品等の商慣習の見直し等が進められると共に、国、地方公共団体、食品関連事業者、消費者等が連携した「食品ロス削減国民運動」が展開され、この取組みを推進している状況であります。


食品業界の取組み 1( 加工食品の納品期限の緩和)

国内の食品流通現場では、消費期限や賞味期限に加えて、スーパー等の小売店が製造業者や卸売業者からの納品期限や店頭での販売期限を製造日から賞味期限までの期間を3 等分にわけて設定するという商慣習(いわゆる3分の1ルール)が存在しており、これが食品ロス発生の要因の一つになっていると言われています。

そこで、この見直しを図るべく、食品製造業、食品卸売業及び小売業等の企業で構成された「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」が設置され、平成25年8月から半年間、特定の地域で飲料・菓子の一部品目の店舗への納品期限を現行より緩和(賞味期限1/3⇒1/2 以上)するというパイロットプロジェクトを実施し、食品ロス削減に相当の効果(該当品目で約4 万トン)が得られたというワーキングチームによる取りまとめが公表されました。そして、この結果から、農林水産省と経済産業省は平成29 年05月09日付けで、卸売業者及び小売業者の業界団体あてに、「食品ロス削減に向けた加工食品の納品期限の見直しについて」を発し、飲料及び賞味期間180 日以上の菓子について、納品期限の緩和に向けた取組みを推進すると共に、その他の加工食品についても今後、納品期限の緩和に向けた検討並びに、取組むようにと通知されました。

食品業界の取組み 2( 賞味期限の年月表示化と延長化)

現在、加工食品の多くは賞味期限を「年月日」で表示していますが、この表示方法では、「先入れ先出し」という業界ルールにより、すでに仕入れた賞味期限よりも以前の賞味期限のものは仕入れ対象とはならず、そのまま廃棄処分され、これが食品ロスに繋がっています。そこで、この日付の逆転による食品ロスの削減を図るべく、食品表示法「加工食品基準」で認められている賞味期限が3 ヶ月以上の加工食品に対しましては、「年月」表示化を進める取組みが推奨されています。但し、この「年月」表示を行う場合には、期限が月末までと解されている事から、「日」の切捨てを行わなければならず、逆に最大で1ヶ月程、賞味期限が短くなってしまうケースがあるようです。従いまして、「年月」表示化により、逆に返品や廃棄が増加してしまう事を防止するべく、該当製品の賞味期限を1ヶ月延長し、「日」の切捨て対策も併せて講じることが望ましいという内容でまとめられました。


まとめ

食品ロス問題については、世界的な課題としても取り上げられており、日本でも、関係省庁のもとで官民が一体となった「食品ロス削減国民運動」が推進されています。そして、大手食品メーカーや総合スーパー、コンビニエンスストア各社等では、既に食品ロス削減に対する取組みが進められており、今後、この食品ロス問題は業界全体の課題として、取り上げられることになることは必至です。よって、これを機に、自社製品の賞味期限の見直しを図られると共に、「年月」による表示化や、賞味期限の延長化について検討されてみられては如何でしょうか?とても良い機会だと思いますが・・・