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5章:サニテーション剤として利用されている各薬剤類の問題点

2025年1月20日

サニテーション剤として利用されている各薬剤類の特徴と問題点についてご説明させていただきます。

アルコール製剤の特徴と問題点

ノンエンベロープウイルス
(ノロウイルス)に効かない。

ウイルスにはエンベロープ(脂質の膜)が存在するものがあります。そしてこのエンベロープは感染に関わる重要な部分になり、アルコール製剤は、このエンベロープを持つ新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのエンベロープを変性させることで、感染性を失わせて効果を発揮します。しかし、ノロウイルスのようなエンベロープを持たないウイルスでは効果がありません。

基本は手指用

エタノール及びその製剤を対物の殺菌消毒剤として気軽に利用されていますが、その多くは手指用の殺菌消毒剤です。この場合、対物を殺菌するとどうなるでしょうか。 実はエタノール含有製品であっても、手指用の殺菌消毒剤を対物に使用した場合は、法律上「雑品」扱いになるのが実態です。つまり、有効性の根拠が弱く、はっきりと効果があると謡えない製品で、あいまいな消毒を施していることになります。

揮発性=水に弱い

エタノールは揮発しやすく、残りにくいため、速乾性で便利に使われています。しかし、速乾性が故に、対象物表面に付着したエタノールは、急激に濃度が低下します。そして濃度が低下するということは効果が弱まり、一部の菌、ウイルスに有効性を発揮できない場合が多々あります。しかも、汗などの水分が存在すると、これも濃度低下の原因となり、効果が弱まってしまいます。

エタノール=溶剤

エタノールは有機溶剤中毒予防規則の対象外なので、便利すぎて忘れがちですが、シンナーやアセトンと同じく有機溶剤に分類されます。尚、高濃度の消毒用のエタノールの長期間の使用は、塗装の剥離、アクリルを代表に一部プラスチックの変性、皮革部分の傷み、シリコンの軟化、クッションウレタンの劣化などを早めてしまい、また、保管量次第では可燃性物質のため、消防法に基づいたハンドリングが求められます。

次亜塩素酸ナトリウムの特徴と問題点

強アルカリ=強い腐食性

次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性の液体品です。タンパク質や脂質を変性させ、皮膚や粘膜に対してダメージを与えるので、原則的には手指の消毒には使えず、その取り扱いには、十分な注意が必要です。また、腐食性や漂白性が非常に強く、金属類や繊維などを腐食します。

汚れに弱い=高濃度使用

一般的に、ウイルス対策としては、200 ppm以上の濃度で、ドアノブや調理器具機材類、調理施設や厨房など一般施設の清掃時の殺菌、除菌、消毒等に清拭や浸漬で用いられています。 なお、ノンエンベロープウイルス対策としては500 ppm以上、糞便や嘔吐物を含むウイルス対策には1,000 ppm以上、場合によっては5,000 ppm以上での処理が必要になります。

刺激臭=ニオイ残り

次亜塩素酸ナトリウムは、処理時の刺激臭と、処理後のタンパク質や脂質との反応臭(残臭)の酷さによって作業環境が劣悪化するため、現場での使用を避けられている大きな原因の一つになっています。

次亜塩素酸水の特徴と問題点

生成装置が必要

正規の次亜塩素酸水は、希薄な食塩水や塩酸水が原料であり、それ程のコストはかかりません。 しかし生成装置自体は高価であり、保守にかかるコストも馬鹿にならず、イニシャルコスト・ランニングコストともに逼迫します。
長期保管不可 次亜塩素酸水そのものは、本来市販されていません。生成装置をユーザーが購入し、使用現場で装置を使って生成し、新鮮なうちに使用することが原則になります。できる限り出来たてのうちに希釈せず、流水状態いわゆるかけ流し、もしくはオーバーフローで使用することが推奨されています。尚、生成装置から連続生成し、タンク保管や流水使用もできますが、ボトリングしたものは、長期間保存することはできず、その効果は保管直後から急激に低下してしまいます。

キャリング不可

次亜塩素酸水は、前述のとおり、生成装置が必要であり、かつ流水状態いわゆるかけ流し、もしくはオーバーフローで使用することが推奨されています。 また、ボトリングしたものは、長期保存することも出来ません。従いまして、事前に作り置きやボトリングしたものを、現場で持ち運んで(キャリング)使用する薬剤としては、不向きであると言わざるを得ません。

汚れに弱い=かけ流し使用 次亜塩素酸水は安全性と殺菌活性が高く、低濃度(10~80 ppm)で、広範囲の細菌類、真菌類、ウイルスに活性を示します。 ただし、有機物存在下では有機物と即座に反応してその活性が著しく減退してしまいます。 このことは安全性が高い、とも言えますが、食中毒や感染症対策の殺菌においては、有機物汚れをあらかじめ洗い流しておいてから使用する必要があります。

亜塩素酸水と各種殺菌料との比較